心と体

2007年8月 4日 (土)

朝青龍は引退すべき?

 サッカーであろうと野球であろうと、横綱がなにを楽しんでも悪いことはない筈です。ところが今回は相撲協会から厳しい処罰を受けてしまいました。

 相撲協会の横綱朝青龍に対する処分が適切であったのであろうか。罰が軽すぎるとか、重すぎるとか、カワイソウという問題のとらえ方でなく、本人にすると取り返しの付かないきわめて不名誉な処罰をなぜ受けるようになったのかをもう一度考えてみたい。

 体の故障で夏巡業の休場を申したが、休場が正式に決まらないうちに無届で帰国してしまった。それだけでなく母国モンゴルでサッカーをしていたというのである。

 モンゴル大統領かモンゴル政府から頼まれてやったことと理由を説明したようです。しかし、横綱としての務めを放り出して、モンゴルでサッカーをしていたことは、相撲協会の今回の処分よりも恥ずべき行為と思います。

 蒙古人の横綱朝青龍は、日本の国技である大相撲の屋台骨を1人横綱として支えてきた、そのうえ優勝を21回も成し遂げた。朝青龍にすると自分以外に大相撲の土台を支える力士はいない、朝青龍がいて初めて大相撲が成り立っていると考えていたかもしれない。

 アメリカの大リーグにピート・ローズという大選手がいました。彼は、通算4256本の安打を打つた大記録の持ち主でありました。ところがどうしたことか「野球トバク」の疑いをもたれ、ピート・ローズ選手はコミッショナーから永久追放の処分を受けてしまいました。

 そのときのコミッショナーのジアマッティ氏は、「ピート・ローズ選手は大選手ではあるが、野球よりも大きな人間は1人もいない」といったそうである。

 朝青龍は、何十回優勝した大横綱であっても、大相撲よりも大きな人間は1人もいないことを知るべきでした。個人までもが偉くなったように勘違いしてはいけません。

 昨日の私のブログに「つもり違い10か条」を掲載しました。「つもり違い=勘違い」である。朝青龍は何かを勘違いしています。これまでの行為は水に流しても、今回は永久追放の処分でも良かったのではないかと思います。厳しすぎますか?

理科好き子供の広場 <http://www.microbes.jp/rika/rikastart.html> をのぞいて見てくださいなにか興味ある著作を発見できると思います

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2007年6月 1日 (金)

妊婦の喫煙と胎児の染色体

 妊婦の喫煙が胎児の染色体に対して、どのように影響するかを調査した報告を紹介します。内容が少し専門的で判りにくいかもしれません。

 10年以上にわたり1日に10本以上喫煙している妊婦25例と非喫煙妊婦25例から定期検査時に羊水から羊膜細胞を採取し、細胞遺伝学的検査を実施しました。

 その結果、染色体の構造異常の出現率に大きな差(喫煙妊婦12.1%、非喫煙妊婦3.5%)があり、程度は少し低くなるが核分裂中期の染色体の不安定性(喫煙妊婦10.5%、非喫煙妊婦8.0%)と染色体病変(喫煙妊婦15.7%、非喫煙妊婦10.1%)にも差がありました。

 この調査研究では、自然発生的でない染色体上のバンドの損傷を4ヶ所以上の損傷と定義して、有意な損傷を示すバンドを探索した。

 その結果、12バンドが検出されたが、喫煙者と非喫煙者で有意な損傷を示したバンドは11q23のみが統計的に有意でありました。

 白血病を誘発することが知られているバンド11q23は、タバコの遺伝子毒性物質に対する感受性が特に高いようである。

 母親の喫煙が胎児に与える遺伝子毒性作用について調べた研究はこれまでに殆ど存在しません。それには、この類いの研究は、対象者を募るのが非常に困難であることが関係しています。

 今回の染色体異常を誘発する薬剤を使用してない喫煙妊婦と非喫煙妊婦に限定して試験を行ないました。

 アルコール、コーヒーや紅茶を飲む妊婦も除外してあります。それは最終的に各25例の妊婦を確保するだけでも800回以上の面接が必要でありました。

 過去の研究で、母親の喫煙が新生児白血病に関連していることが示されています。さらに新生児白血病の40~60%、小児白血病の18%、成人白血病の3~7%においてバンド11q23の分子配列が変化していることが明らかにされています。

 喫煙が胎児の上皮細胞に遺伝子毒性障害を与えること、および免疫能に影響することをはじめて報告する研究です。喫煙は母親にも胎児にも障害を与える毒性物質を含むようですから、喫煙している人は喫煙の習慣を絶つ努力をしましょう。

 今回の染色体に対する影響についての紹介は少し難しかったでしょうか。染色体の基礎についてもう少し学びたい人は、「理科好き子供の広場」の染色体のはなしを参考にしてください。

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2007年5月31日 (木)

妊婦の喫煙が胎児の免疫能に与える影響

 国内での喫煙者数は、男性では全体的に以前よりは減少する傾向にあるようですが、女性の喫煙者数は減少するよりは若年者の喫煙率が高くなる傾向を示しているそうです。国としての喫煙率は、先進工業国のなかで日本はまだ異常でダントツに高いようです。

 妊婦の薬物の服用、アルコールの摂取、喫煙などが胎児に与える影響は色々と調べられています。今回は妊婦の喫煙が胎児の免疫能に対してどのような影響を与えるかを調査した報告の概要を紹介します。

胎児の免疫能が低下する
 満期分娩をした健常ボランティア女性で喫煙群60例と非喫煙群62例で、各群にアトピーとアトピーでない女性を同数含むようにしました。喫煙の有無は、タバコの代謝産物であるコチニンの血清濃度により確認しました。コチニン濃度と総喫煙量には強い相関が見られた。喫煙群58例と非喫煙群59例が試験を完了しました。

 各女性の臍帯血から細胞を分離し、一般的なアレルゲンと一緒に培養しました。その結果、インターロイキン(IL)-6のアレルゲンに対する反応は、喫煙群では著しい減弱化と関係するほか、新生児のインターフェロン(INF)αおよびIL-10濃度の上昇にも関連していました。

 喫煙による酸化の影響を調べるため、尿中イソプロスタン濃度を分析しました。喫煙女性から生まれた乳児の尿中イソプロスタン濃度は1,000pmol/mmolクレアチニンで、非喫煙女性の乳児の尿中イソプロスタン濃度は750pmol/mmolクレアチニンより有意に高かった。この結果から、喫煙女性から生まれた乳児は、酸化的損傷を受けていることが判りました。

 今回の調査結果から、母親の喫煙がアレルゲンに対する新生児の反応に悪影響を及ぼすことが確認されました。妊娠中の喫煙が胎児に有害であることを示す新たな証拠となりました。

 妊娠中の女性は、出産してしまうまでの期間、生まれてくる愛児のために喫煙は少し我慢した方が賢明と思われます。喫煙と飲酒がかさなると悪影響は倍増します。

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2007年5月28日 (月)

ホームラン王が病名になった

 ルー・ゲーリッグは紳士的な態度で知られていました。しかし、現役生活の17年目に、今現在も難病中の難病である「筋萎縮性側索硬化症」に侵されてしまいました。そのため1939年5月の試合を最後に引退しました。そして1939年7月、ヤンキースタジアムで引退式が行われました。引退式が行われた米国で最初の野球選手となりました。

 やがてルー・ゲーリッグは歩けなくなり、引退式から2年後の1941年に、筋萎縮性側索硬化症が悪化したために、38歳の誕生日を目前にして多くの野球ファンに見守られながら亡くなりました。満塁本塁打23本は21世紀を迎えた今も、誰にも破られない大記録として輝いているそうです。

 ルー・ゲーリッグ病とはとんな病気なのでしょう。筋萎縮性側索硬化症(ASL)は、1874年にフランスのシャルコール医師によって最初に報告されて以来、いまもって治療法も症状の進行をおさえる対処法もありません。

 運動をつかさどる神経が侵され、筋肉がいしゅくする、原因不明の進行性の神経系の疾患です。腕、顔などの筋肉および話すことや飲み込みなどの筋肉も侵されます。最終的には呼吸する筋肉も侵されてしまいます。

 しかし、思考能力、目の動き、便通、性的機能はあまり影響を受けないようです。ALSは、一年に人口十万人に一人の割合でかかる病気と言われ、非常に珍しい病気です。また40歳以上で、かつ、女性より男性の方がやや多くかかるとも言われています。約半数の人が発症してから3年から5年以内に亡くなります。最近になってようやく、ALSの進行を遅らせる薬が開発されています。

 ルー・ゲーリッグ選手は、米大リーグのニューヨーク・ヤンキースの花形選手として、ホームラン王のベーブ・ルースとともに大活躍しました。彼が放った満塁ホームラン数は、いまもって破られない大記録だそうです。

 そのようなヒーローが突如として選手生命を絶たれるような筋肉が侵される病になりました。原因も治療法も判らない、珍しい病気で、病名も難しく日本語では筋萎縮性側索硬化症、英語ではAmyotrophic Lateral Sclerosis と言います。アメリカでは、いま現在も「Amyotrophic Lateral Sclerosis」と呼ぶよりは、あのルー・ゲーリッグ選手がかかった病気=「ルー・ゲーリッグ病」と呼ばれるようになったのだと思われます。

 ルー・ゲーリッグ病の原因は微生物の関与が疑われてはいます。しかし、いまもって微生物が原因とは決まっている訳ではありませんが、病名に名を残した野球選手ルー・ゲーリッグを紹介しました。

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