育児

2007年6月 1日 (金)

妊婦の喫煙と胎児の染色体

 妊婦の喫煙が胎児の染色体に対して、どのように影響するかを調査した報告を紹介します。内容が少し専門的で判りにくいかもしれません。

 10年以上にわたり1日に10本以上喫煙している妊婦25例と非喫煙妊婦25例から定期検査時に羊水から羊膜細胞を採取し、細胞遺伝学的検査を実施しました。

 その結果、染色体の構造異常の出現率に大きな差(喫煙妊婦12.1%、非喫煙妊婦3.5%)があり、程度は少し低くなるが核分裂中期の染色体の不安定性(喫煙妊婦10.5%、非喫煙妊婦8.0%)と染色体病変(喫煙妊婦15.7%、非喫煙妊婦10.1%)にも差がありました。

 この調査研究では、自然発生的でない染色体上のバンドの損傷を4ヶ所以上の損傷と定義して、有意な損傷を示すバンドを探索した。

 その結果、12バンドが検出されたが、喫煙者と非喫煙者で有意な損傷を示したバンドは11q23のみが統計的に有意でありました。

 白血病を誘発することが知られているバンド11q23は、タバコの遺伝子毒性物質に対する感受性が特に高いようである。

 母親の喫煙が胎児に与える遺伝子毒性作用について調べた研究はこれまでに殆ど存在しません。それには、この類いの研究は、対象者を募るのが非常に困難であることが関係しています。

 今回の染色体異常を誘発する薬剤を使用してない喫煙妊婦と非喫煙妊婦に限定して試験を行ないました。

 アルコール、コーヒーや紅茶を飲む妊婦も除外してあります。それは最終的に各25例の妊婦を確保するだけでも800回以上の面接が必要でありました。

 過去の研究で、母親の喫煙が新生児白血病に関連していることが示されています。さらに新生児白血病の40~60%、小児白血病の18%、成人白血病の3~7%においてバンド11q23の分子配列が変化していることが明らかにされています。

 喫煙が胎児の上皮細胞に遺伝子毒性障害を与えること、および免疫能に影響することをはじめて報告する研究です。喫煙は母親にも胎児にも障害を与える毒性物質を含むようですから、喫煙している人は喫煙の習慣を絶つ努力をしましょう。

 今回の染色体に対する影響についての紹介は少し難しかったでしょうか。染色体の基礎についてもう少し学びたい人は、「理科好き子供の広場」の染色体のはなしを参考にしてください。

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2007年5月31日 (木)

妊婦の喫煙が胎児の免疫能に与える影響

 国内での喫煙者数は、男性では全体的に以前よりは減少する傾向にあるようですが、女性の喫煙者数は減少するよりは若年者の喫煙率が高くなる傾向を示しているそうです。国としての喫煙率は、先進工業国のなかで日本はまだ異常でダントツに高いようです。

 妊婦の薬物の服用、アルコールの摂取、喫煙などが胎児に与える影響は色々と調べられています。今回は妊婦の喫煙が胎児の免疫能に対してどのような影響を与えるかを調査した報告の概要を紹介します。

胎児の免疫能が低下する
 満期分娩をした健常ボランティア女性で喫煙群60例と非喫煙群62例で、各群にアトピーとアトピーでない女性を同数含むようにしました。喫煙の有無は、タバコの代謝産物であるコチニンの血清濃度により確認しました。コチニン濃度と総喫煙量には強い相関が見られた。喫煙群58例と非喫煙群59例が試験を完了しました。

 各女性の臍帯血から細胞を分離し、一般的なアレルゲンと一緒に培養しました。その結果、インターロイキン(IL)-6のアレルゲンに対する反応は、喫煙群では著しい減弱化と関係するほか、新生児のインターフェロン(INF)αおよびIL-10濃度の上昇にも関連していました。

 喫煙による酸化の影響を調べるため、尿中イソプロスタン濃度を分析しました。喫煙女性から生まれた乳児の尿中イソプロスタン濃度は1,000pmol/mmolクレアチニンで、非喫煙女性の乳児の尿中イソプロスタン濃度は750pmol/mmolクレアチニンより有意に高かった。この結果から、喫煙女性から生まれた乳児は、酸化的損傷を受けていることが判りました。

 今回の調査結果から、母親の喫煙がアレルゲンに対する新生児の反応に悪影響を及ぼすことが確認されました。妊娠中の喫煙が胎児に有害であることを示す新たな証拠となりました。

 妊娠中の女性は、出産してしまうまでの期間、生まれてくる愛児のために喫煙は少し我慢した方が賢明と思われます。喫煙と飲酒がかさなると悪影響は倍増します。

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2007年5月26日 (土)

虫歯を予防する細菌入りガム

 虫歯は、ストレプトコッカス・ムータンスと呼ばれるレンサ球菌が砂糖分を分解して強力な酸を作り、その酸が歯の表面のエナメル質を分解することにより作られます。

 キシリットールを配合したガムは、虫歯にならないガムと呼ばれています。なぜ虫歯を作らないのかと言うと、炭素が五個からなる五炭糖を分解できる細菌は極めて少ないからです。そのためにキシリットールを人工甘味料とし添加したガムは、酸が作られにくいので虫歯を予防できると考えられています。

 ドイツの化学メーカー社は、虫歯菌のストレプトコッカス・ミュータンスを破壊する細菌を見つけ出したそうです。その細菌は、乳酸桿菌の新株で、虫歯のムータンスを凝集して破壊する作用を持っているようです。

 この化学メーカー社は、この乳酸桿菌を含んだガムを発売するようです。このガムに含まれる細菌は、虫歯菌を凝集して歯の表面に付着しないようにし、口腔内の細菌を50分の1に減少させることに成功したといいます。

 更に、乳酸桿菌を含ませた歯みがきやウガイ薬も現在開発中であるとしています。またこの乳酸桿菌の別な使用法として、体の臭や足の臭いを減らす予防材の開発も検討しているとのことです。

 細菌が作った抗生物質で他の細菌の増殖を抑制したり、細菌体を破壊したりすることは、これまでにも判っていました。しかし、細菌が細菌をヤッツケること、更にその細菌をガムに含ませて虫歯を予防することは、これまでにあまり聞いたことがありませんでした。しかし、このようなガムが市販されると、砂糖を含む甘い飲料水や食品も大いに食べられるようになるのかも知れません。

 ただし、ガムをかめない小さな子供はどうするのでしょう。大人より子供の虫歯を予防できたら良いですよね。

 足の臭いに悩んでいる人が大勢います。他人の足の臭いに悩まされるのではなく、自分の足が臭いので、その臭いがとれなくて困っているようです。そのような人には、今回の話は朗報です。

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2007年5月22日 (火)

ココアは健康によいこと知ってますか

 みなさんは ココアは好きですか、毎日飲んでいます?

 今日はココアを飲む習慣は健康によいということを説明します。
 
 ココアは、昔から健康によい成分を数多くふくむと言われてきています。

18世紀にもなると、心臓を強くし、狭心症を減らすとまで言われるようになりました。

 私の胃袋にはピロリ菌の感染が認められ、三薬剤による治療で除菌が不成功に終わったとき、周りの人から「ココアを飲むとピロリ菌の除菌に良い」と言われたことがありました。

 近頃オランダの先生方がココアの健康に対する調査研究を実施し、その成績を報告しています。

 男性470例を調べました、その3分の1はココアを摂取する習慣はなかったそうです。 全体を3群に分け、上位群と下位群の人たちを調査の対象にしました。

 ココアの摂取量は、1日当たり平均で2.11gで、上位群の平均摂取量は1日当たり 4.18gでした、約2倍の違いがあるのでした。

 ココア摂取上位群の血圧は、下位群との比較で最高血圧は3.7mmHg低く、最低血圧においては2.1mmHg低かった

 対象の470例のうち、20年間の調査期間内に死亡した人は314例、そのうち心血管疾患による死亡は153例でした。下位群に比べて、上位群男性の心血管疾患による死亡リスクは半分でした。

 ココアを好む者は、肉とコーヒーの消費量は少なくいがその反面乳製品、砂糖菓子、クッキー、調味料の利いた食品の消費量は多く、アルコール類、ナッツ類や種子類の消費量も多いことが認められました。

 しかし、ココア摂取とBMIとは無関係であったそうです。

 この調査研究は、ココア摂取が血圧や心血管疾患による死亡などに良い影を与えることを報告ています。

 
 このオランダでの調査が日本人にも当てはまるのかは判りませんが、ココアの摂取はカロリーの摂取と正の相関が認められるようですが、血圧と心血管疾患による死亡は低くなるとの報告です。

 ココアにはカテキンとも呼ばれるフラボノイドの一種であるフラバン3オールという物質が多く含まれているそうです。このフラバン3オールの薬理作用として、血圧の低下、心血管疾患による死亡、ピロリ菌に対する抗菌作用などがあるのでしょうか。

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